マッハ軒

ホワイトヘッドとか、鑑賞した作品についてとか

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ホワイトヘッド『過程と実在』〈第19回〉1-2-2 説明の範疇xxv~xxvii

現実的実質の「満足(satisfaction)」 説明の範疇の列挙も終わりに差し掛かったところで、現実的実質自身の「最終相(final phase)」が語られる。以下第二十五の範疇を引用する。 現実的実質を構成する合生の過程における最終相は、一つの完全に決定された複合…

ホワイトヘッド『過程と実在』〈第18回〉1-2-2 説明の範疇xxiii,xxiv

直接性と主体性 前回見たような「機能」に関する記述から導かれて、第二十三の説明では前回触れた「リアルな内的構造」の意味が開示される。この「自己自身に関して機能すること」、すなわち自己の中に他の実質を招き入れる形で自己を形成していくことこそが…

ホワイトヘッド『過程と実在』〈第17回〉1-2-2 説明の範疇xix~xxii

「機能する(to function)」ということの意義 第十九の説明では現実的実質と永遠的客体の二つの概念こそが根本的であり、他のコントラストや命題といった実質はその二つの中間的性質を持ち、その二つが「いかに相互に結び付いているか」*1を示していることが…

ホワイトヘッド『過程と実在』〈第16回〉1-2-2 説明の範疇xviii

存在論的原理(ontological principle) 第十八の説明は最も長い。したがってここでは幾らか細分して注釈していくことになろう。ここでは最初に、「存在論的原理」なるものが導入される。*1 生成の過程が、任意の特殊な事例において従うすべての条件は、その根…

ホワイトヘッド『過程と実在』〈第15回〉1-2-2 説明の範疇xvii

諸実質の「コントラスト(contrast)」 これまでの数回に渡って、当ブログではホワイトヘッドの用いる「統一(unity)性」という概念の持ちうる多義性を見てきたということができよう。まず第一にそれはある単一の現実的実質の内におけるいわば「主体的な統一性…

ホワイトヘッド『過程と実在』〈第14回〉1-2-2 説明の範疇xv,xvi

命題(proposition)の機能 前回は、結合体という概念において考えられる、諸現実的実質(諸多性)の統一が、当の諸実質間の相互抱握と調和によってなされているのではないかという仮説を検討した。ここで問題となるであろうことは、その統一がどのように、具…