庵野秀明『シン・仮面ライダー』(2023)感想
マスクを外して観に行ってみた。途中、マスクを付けていないのに口にかけ直すような仕草をしてしまい、身体の拡張(?)を感じるなどした。それはさておき。
まあまあ面白かった。個人的にウルトラマンや怪獣特撮に比べて仮面ライダーは詳しくないということもあってか、*1大興奮とまではいかなかった。
最初のシーンから、そもそもなぜ幼き私が仮面ライダーを見なかったかを思い出すことになった。なんというか、登場する怪人とか戦闘員がかなり「人っぽい」のだ。私はこの、そのへんの人に紛れてヤバい奴がいる、みたいな感じが苦手だったような気がする。*2
流血描写もかなり激しくて、あれまあといった感じであった。かといって全編を通してリアルな肉弾戦をコテコテ描いているかといえば決してそうではなくて、バカっぽい戦闘シーンが多かった。あの長澤まさみのシーンはなんだったのか、どういう顔で見ればよかったのか。
cgがリアルになればなるほど、むしろ実写の背景との差異が詳らかになってヘンテコな感じになる気がした。押井守の『アヴァロン』とかそのあたりの作品を見たときと似た感じがした。特にコウモリ怪人との戦闘シーンとか、ちょっと浮いた感じというか。
話の内容はまあ普通だった。こういう人類を救済するとか(補完するとか)いったことが、ヒーローではなく悪役の常套句になったのはいつからなのだろうか。*3ゲンドウとかもそうだけど、「自己と他者との隔絶→その境目をなくしちゃおう!」みたいな論理をもっているキャラは多い気がする。